上海旅行記(2006.08.12.〜2006.08.16.)

 毎年、どこへ行こうか悩みます。日程、予算、一緒に行く人の希望、私の仕事の状況、体調、世界情勢、などなど総合的に決定しています。なんて事はありません。なんとなく決めています。毎年の雰囲気で。わりといい所をついているように思っていますが、自己満足かもしれません。海外旅行は、どこ行っても楽しいですから。いつもは家にいるのが好きな俺ですが、年に一度の、大外出ですから、気合をいれています。

 今年もなんとなく上海になりました。なんとなくにも理由がありました。漫画です。かわぐちかいじの「太陽の黙示録」です。日本にとてつもない大地震が発生し、南北分断してしまうという内容です。北は中国、南はアメリカと別々に復興支援を依頼しているうちに、それぞれを支配されていくという話しです。北の首都は札幌、南の首都は福岡。漫画の中にも札幌の懐かしい風景が描かれています。その中で、とてもショッキングなのは、中国の支配によって、大通り公園にある札幌テレビ搭が東方明珠タワーになってしまっていたことでした。この漫画を読んでいる知人にこの話しをしても、そうだっけ??というつれない返事が返ってきます。知らない人にとっては、記憶に残らない、ささいな事なのでしょう。しかーし、道産子の私には見逃すことのできない重大事項!!です。今回の旅行で東方明珠タワーを自分の目で確かめましたが、でかい。かなりでかい。468mの高さです。東京タワーが333mですから。わが札幌テレビ塔は147.2mです。東方明珠タワーは大通り公園には建設できないはずです。漫画の中ではサイズを小さくして建設していたんだろうと想像しています。
さっぽろテレビ搭HP(http://www.tv-tower.co.jp/index.html)
東京タワーHP(http://www.tokyotower.co.jp/333/index.html)

 もうひとつも漫画です。あれ、漫画ばっか。それは、コミックバンチ「蒼天の拳」。「北斗の拳」の過去を描いた内容になっています。舞台設定は1935年頃の上海。北斗神拳伝承者ケンシロウの叔父さんにあたる霞拳志朗が主人公になっています。上海はアヘン戦争後の南京条約で開港し、その後、イギリス、フランス、アメリカにより租界なる地域が設定され、当時アジアで最大の都市となっていました。この漫画はそんな、法律もなにもないような混沌状態を背景としています。魔都とも呼ばれていたそうです。黄浦江(ファンプジャン)の周りにあるヨーロッパ風の建物は拳志朗が生きた時代のモノだと思うと感慨がひとしおです。(なんでやねん。)

 あとで聞いて気がついたのですが、今年夏公開の「ミッショインポッシブル3」。どうやら東方明珠タワーの近くの高層ビルからふりこの原理を利用してトムクルーズがダイビングしているシーンがあるそうです。何かの映画(昨年末の「男たちのYAMATO」?)をみたときの予告編でそのシーンがあったような気がします。その時に、おもしろいタワーがあるんだなぁ、と思って、私の深層心理に深く刻まれていたことも理由かもしれません。せっかく映画を見にいこうと思っていたら、いつの間にやら、公開が終わってしまっていまして、9月現在、まだ見ていません。英会話で上海に行ったと説明するときは、このトムクルーズの話しをするとよくわかってもらえます。(2006.09.17.)

ちょっとだけ真面目な事を書くとすれば。。中国は貧富の格差がどんどん広がっているのでしょうか。上海の町には高層ビルがどんどん建設されているわけですが、その陰で、貧困層の人たちが生活に苦しんでいるように思えました。子供たちです。ぼろぼろの服を着た子供たちが、小物などを路上で売っているのを見かけました。物乞いをしている子供も見かけました。そういうのを見ると胸が苦しくなりました。彼らは彼らで生きるのに一生懸命なのだと思います。で、露店を取り締まろうと警察がでてくると、大慌てで逃げていました。子供たちには子供たちのコミュニティがあるのかもしれません。何人もの子供があっちこっちに同時に逃げていました。一方で、海外旅行客が贅沢にブランド物を買いあさっていて。世の中の歪みがこういう所にあらわれてしまっているのかとあらためて思いました。なんとかしてあげたいものです。日本政府、頼むよ。(2006.09.24.)

交通事情をひとつ。私の参加したCIAOのツアーですが、なんとタクシー・地下鉄・バスの共通カードが50元(1元=約15円)分ついておりました。いわゆる、750円分チャージされてる中国版SUICAカードです。さすが中国公共交通運賃が安い。タクシー初乗りがなんと10元、地下鉄は市内たったの3元です。タクシーにはカードの読み取り機がついていて、ピッとかざすだけで、料金が落とされます。海外で外貨になれていないのにお釣りをチェックしたり、チップだなんだと、面倒なことが一切ありません。中国語もよくわからないわけですが、このカードを見せるだけで済むので非常に安心です。タクシーではほぼ街中どこへ行ってもこれだけチャージされてれば、ホテルまで帰ることができます。また、地下鉄も簡単。日本のSUICAと同じで改札のゲートの上でピッとかざすだけです。これを思うと横浜の地下鉄が高いこと、不便なこと。初乗りで200円だし、SUICAみたいな非接触ICカードは使えないし。今回の旅行では、最初にもらったこのカードだけで十分な機動力になりました。地下鉄とタクシーをのりつげば、だいたいの所は周ることができました。本当に便利なカードです。(2006.10.08.)

1日目。移動日。
18:35成田発→20:40上海着。NW025便。

2日目。上海1日観光。
外灘散策。→豫園。
豫園とは明代の役人が18年かけて造った私庭園。上海の有名な観光地。中央に大きな池があり、たくさん鯉が泳いでいました。壁には黒瓦でつくられた大きな龍がたくさんいました。
ついに、やってきました。上海のシンボル東方明珠タワー。とにかく大きい。でかい。写真にはいりきれません。見えている支柱は直径9mもあります。このあと、エレベータで展望台までのぼりました。展望台からは上海の町を一望できます。黄浦江には石などを運ぶ船団が多数みられました。それにしても、たくさんの高層ビルが今もなお増えているとは、驚きです。
東台路という骨董品を売ってる地区を散策後、秋葉原のような電気街を彷彿とさせる電脳デーパートを見学。その後、おしゃれな新天地なる場所を訪れ、再び、外灘へ。太陽が西に傾き、写真に最適なシチュエーションに。それにしても、暑い、暑い。気温は38度程度か。次に、中国茶芸体験と称してお茶のお店へ。案の定、おみやげ茶を買え!と迫られた。もちろんやんわりとお断りしました。
夜は黄浦江ナイトクルーズに参加。川の上から上海の夜景をエンジョイしました。ライトアップされた1930年代の建物は異国情緒が漂いタイムスリップの気分です。これらの建物は銀行だったり保険の会社だったりさまざまです。これらのライトアップは夜の11:00きっかりで終了。街は真っ暗になります。中国政府の統制なのでしょうか。夜のタワーは色が時間とともに変化し、とても幻想的ですよ。
3日目。蘇州観光。
上海から車で2時間ぐらい。古都蘇集は運河が網の目のように張り巡らされた水の都です。この日はまず、拙政園という庭園を見学後、寒山寺へ。唐の時代に寒山という偉いお坊さんが住んでいたそうです。ここには有名な鐘があり、一回突くと10年は長生きするといわれています。もちろん突いてきました。鐘の中に仏像がありました。黄色い壁はお寺の区画を表すそうです。
昼食後、船にのって、虎丘まで移動。この船で運河を下りました。途中、狭い運河を別の船とすれすれの所をすれ違ったりとひやひや。
虎丘(こきゅう)。東洋のピザの斜塔と言われています。この写真をみると若干傾いているのがわかりますね。傾斜角は15度。どうやら地盤沈下が原因のようです。ここはもともと呉王の父の陵墓。葬儀のあとで白虎が墓の上に現れたという言い伝えが名前の由来です。この塔は上まで上ることはできませんでした。
この日は上海に赴任中のN井さんと会うことができました。ちょうど日本がお盆ということで、ご家族が上海に遊びに来ていました。家族サービスにお忙しいなか、なんとか時間をとってくれました。感謝!台湾でもたいへんお世話になりましたが、この日も貴重な情報をいただきました。いよいよ明日は勝負!お金の準備をしなければ。
4日目。上海観光。
2004年4月から本格運行が開始された世界初の実用リニアモーターカー。世界初ですよ。世界初!ドイツの技術協力で実現。地下鉄龍陽路駅から上海空港までの約33kmを最高時速431km、8分でつないでいます。たった8分のために、ここまでやるかって感じもしないわけではないですが、そこが中国!本当にに早い!。振動も小さい。往復80元(約1600円)で往復乗ってしまいました。日本の新幹線は時速300km。日本のリニアモータは時速580km。しか〜し、山梨の実験線はたったの18kmだそうです。実用化はいつのことだろうか?

ところがこの上海リニアモータは我々が到着の前日になんと火災発生!燃えちゃったそうです。ガイドさんに乗らないほうがいいよと言われてしまいました。複線になっていてもう1台があるので乗れたわけですが、運転間隔が通常が15分間隔のところ、30分間隔にはなっていました。

さらに!!タイミングが悪いことにドイツでもリニアモータで事故発生。あちらでは死亡者まででてしまっています。人為的ミスだったそうですが。上海でこのリニアモータに乗ったせいで、ニュースが非常に身近に感じられました。
浦東地域の地下鉄東昌路駅から歩いて約10分。この若干怪しげなお店はDVDのお店です。夕方5時ぐらいにオープン。なぜか、日本では公開前の新スーパーマンやトーキョードリフト、公開中のミッションインポシブル3、公開したばかりのダビンチコード、ポセイドンなどを売ってました。値段はなんと150円程度。こりゃ、安すぎます。これが噂の。。日本のドラマのDVDボックスまでそろってました。恐るべし。
夜7時から上海雑技団を見に行きました。雲峰劇院という劇場です。ここはパフォーマンスのレベルがNo1だそうです。演目に圧倒されっぱなしだったわけですが、一番良かったのはバイクです。丸い球体の中にバイクではいって内部を走りまわります。スターウォーズのテーマにのって。TVでは見たことありましたが、近くで見るとそりゃもう大興奮。最後にはこの小さな球体に5台のバイクがはいるんですよ。ちょっと間違えれば大惨事!ライダーのコスチュームには、腕の部分にスター錦野みたいな「そう麺」のような飾りがついていて、バイクに絡まるんじゃないかとひやひやしました。
いよいよ最後の夜。外灘(ワイタン)へ。バンドとも呼ばれているらしい。浦東(プードン)の夜景が広がっています。ネオンの色が次々と変わる演出もあり、本当に未来都市のようです。ここでは、違法のようではありますが露店がたくさんあって怪しいものがたくさん売っていました。特にLEDでぴかぴか光るアクセサリーなどが目立っていました。そういえば、凧を売っていました。実演で100mぐらいは糸をのばしてました。こんな街の真ん中で。危険きわまりなし!!恐るべし。
おみやげ1。
靴にとりつけるキャスターです。インラインスケートのように道路を滑ることができます。ただし、普通のスケートではありません。LED発光機能付です。車輪が回ると発電機(ダイナモ)が作動してピカピカ光ります。夜だとかっこいいです。目立ちます。1セット100元で買いました。言値そのままで買っちゃいました。多分、50元ぐらいにはしてくれたはず。後悔。でもどこで使えばいいんでしょうか?
おみやげ2。
スパイダーマン?です。日本のガチャガチャで扱ってたかもです。写真を良くみるとわかりますが、手足に4つ、腰に1つ粘着質のゲルがついています。これを窓や壁に投げつけると。。ころがりながら、おもしろいアクションで少しずつ落ちていきます。まさに、スパイダーマン。微妙なひっつき具合がミソです。道端でビルの壁にひっつけて売ってました。1ヶ1元でした。おもしろいので大人買いしました。
おみやげ3。
スポンジねずみ。ひもがついていてそれを伸ばし伸縮しながら歩くとまさにペットねずみを散歩させているみたいに見えます。実際、たくさんの人(子供ですが。)がこれを連れて歩いていました。初めてみたとき、びっくりしました。お腹にコルクとゴムがはいっていて、ねずみのようにコチョコチョ動きます。ほとんどコストはかかっていないはず。星飛馬のような超貧乏な家で家族くるみで作っているのが目に浮かびます。1ヶ5元だったかな?
おみやげ4。
ガラスオブジェ。ガラスの中にレーザでたくさんのドットをつくって、上海のビル群を表現しています。東方明珠塔がしっかりみえます。台にはLED付。よくみるとドットの数が少なくなんとなく安っぽい感じが否めません。しかし、これがなんと10元でした。20元が標準価格なのですが、だめもとで半額を提示したら渋々OKしてくれました。いったい原価はいくらなんだろうか?
おみやげ5。
これもガラスオブジェ。上海明珠塔です。正確に実物通りになっています。これも20元を値切って10元にしてもらいました。こんな安いものをさらに値切るとはちょっとせこかったかもしれません。値切るやりとりが楽しくてついつい。写真の周りに光る点が見えますが、タワーの展望台の球の表面がミラーボールのようになっていて思わぬイフェクトがかかっています。これも台付です。

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