韓国旅行記(2003.04.25.〜2003.04.30.)


 今回の旅行は、場所を決めるのにたいへん苦労しました。今年の2月には、まず、カナダ旅行(バンフとナイアガラを巡るツアー)を計画していました。しかしながら、日程のほとんどが移動時間というかなり厳しい行程であるということがあとで判明し、予約をキャンセルしました。次に候補であがったのがシンガポールです。どうやら、イルカと一緒に泳げるオプションがあるようで、写真をとるには絶好かなぁと思いました。しかし、みなさんご承知のように、SARSの問題がありました。シンガポールは、中国、香港、に次いで発症者数が多い国でした。で、またまた、さらなる候補をいろいろ模索したわけです。イラク戦争も始まってしまい、海外旅行自体を中止しようとも考えましたが、それも寂しい限り。そこで捻出した候補地が台湾と韓国です。これらの国には半導体の工場があり、いつか仕事でいくと考えていて、これまで旅行したことはありませんでした。台湾は、若干のSARSの懸念があったため、結局、韓国にしました。シンガポールの予約をキャンセルするのに25000円を支払うことになりましたが、SARSを考えるとやむをえないと思い、泣く泣く払いました。

 今回のツアーのタイトルは、「世界文化遺産を訪ねる旅 釜山・慶州・ソウル」です。飛行機で、釜山に入り、途中、韓国の特急列車セマウル号にて慶州からソウルまで移動です。成田から釜山までは約1時間半、慶州からソウルまでは約4時間半、ソウルから成田までは約2時間かかります。どうやら北九州から釜山までは、高速フェリーで3時間の距離だそうです。本当に近いお隣りの国です。

 「近くて遠い国 韓国」という言葉の通り、私を含め多くの日本人は韓国のことはあまり知らないのではないでしょうか?最近、ワールドカップを共同開催するなどスポーツなどを通じて、交流が活発になってはいますが、本当に最近のことです。言葉ですが、学生時代に習う外国語はほとんど英語です。韓国語は選択科目にも含まれていませんでした。隣りの国の言葉(ハングル)を全く読めず、理解できないというのはいかがなものでしょうか?また、日本は歴史上、韓国とさまざまに関わりをもって来ましたが、歴史の授業では軽く扱われすぎているように思います。韓国旅行中に、文禄慶長の役(壬辰倭乱)で秀吉に貴重な文化財を焼失させられたとか、韓国併合、朝鮮戦争の話を聞きましたが、もう少し詳しく学校で教育されてもよかったと感じました。高校時代、世界史でいろいろ暗記しましたが、ほとんど忘れていて、身についていなく情けない思いを旅行中なんどもしました。

 「漢江川が血に染まる。」という言葉があるそうです。朝鮮戦争の時に、北からの軍隊の南下を阻止するために、南の政府が漢江川の橋を全て壊したそうです。その時、多くの民間人が以前残っていたにもかかわらずです。そのため、漢江川を泳いで渡ろうとしたのですが、水量が多く、困難だったそうです。そのため、川の前で立ち往生せざるをえませんでした。しかし、非難のため、人がどんどん、どんどん押し寄せてきます。そのうち、人があふれて将棋倒しとなり、多くの人が犠牲になりました。たいへん悲しい話です。(2003.06.15.)

 韓国の人たちは容姿が日本人と全く同じ、町並みも日本の渋谷、新宿、横浜といった感じです。そのため、精神的に軽く混乱します。日本にいるようで日本ではなく、全く違う国なのです。韓国の町で、サラリーマンや高校生をみていると、携帯電話で話したり、メールしたり、ファッションも全く同じです。でも、言葉が通じません。看板の文字も読めません。理解できません。マクドナルドでジュースを買うときも、応対の人も日本人のようで、日本人ではないわけで、日本語は通じず、英語で言ってもチンプンカンプン。いわゆる、「トワイライトゾーン」や「世にも奇妙な物語」のような、少し歪んだ世界に迷いこんでしまったような錯覚に陥いります。本当に不思議な感覚です。

 韓国の歴史について、自分のために、ちょっとだけまとめておきます。
高校の世界史で、日本の歴史と対比して暗記した覚えがありますが、ほとんど忘れていました。
というか、もともと覚えていないのかも。
とにかく今回の旅行では、韓国の歴史を学びました。

    〜668    三国時代(新羅、百済、高句麗)
 668〜935     統一新羅(首都慶州)
 918〜1392    高麗
 1392〜1910   朝鮮(首都ソウル)(1592〜1598文禄慶長の役)
 1910〜1945   日本占領期
 1945〜      大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国(1950朝鮮戦争)


1日目。
大韓航空利用のため成田空港第一ターミナルです。今年のGWは暦の関係で長期休暇がとりずらい、SARS、イラク戦争等の理由が重なり、海外旅行者数は例年に比べて、たいへん落ちこんだそうです。確かに、空港内はとても閑散としていました。マスクをしている人が多く見られました。私も一応SARS予防のため、マスクを事前準備しておきました。
2日目。
韓国三大寺院の一つ海印寺。韓国で最初に指定された世界文化遺産です。文禄慶長の役にて焼失し、現存しているのは朝鮮時代末期のものです。周りを深い山に囲まれていて、とても静かな場所にありました。
八萬大蔵経。
大蔵経とは仏教の経典、論書などを集大成した仏教教典をさします。ここには高麗時代に作られた約八万枚の教典の板がそのまま保管されています。高麗がモンゴルから攻められた時に、国を守る意味で仏教僧がひとつひとつ魂をこめて製作したようです。
石屈庵。
これも世界遺産です。統一新羅時代はここ慶州が首都でした。石のドーム内に花崗岩の釈迦如来座像が安置されています。日本の占領時代に日本軍がこの像を日本へ持ち帰ろうとしたこともあったようですが、この環境にあるのが一番良いと、あきらめたことがあったそうです。
仏国寺(世界遺産)。
これも統一新羅時代の建物です。1592年の豊臣秀吉による壬辰倭乱によって、そのほとんどが焼失したそうです。このように、歴史的な建築物はそのほとんでおが豊臣秀吉によって破壊されています。日本人にとって秀吉は日本を統一した英雄ですが、韓国人にとっては邪悪な侵略者としてとても有名です。
3日目。
セマウル号。セマウル号は韓国の誇る超特急列車です。主要な年を結んでいます。とてもゆったりとしたリクライニングシートなど、車内の設備がとても整備されています。あと数年で、ヨーロッパのTGVが導入されるようです。列車の旅ものんびりして、とても良かったです。慶州からソウルまで移動しました。
昌徳宮(チャンドックン)。
これも世界遺産です。朝鮮王朝時代初期に建てられましたが、これもまた、壬辰倭乱にて焼失。1609年に再建されました。奥には有名な「秘苑」があります。日本の庭園は人が整備するものですが、韓国では人が手を加えないのが基本だそうです。
ソウル市内明洞地区にあるエステ専門店。
基本コース(風呂、サウナ、あかすり)が80000ウォン(約8000円)。全身マッサージが50000ウォン(約5000円)。カッピング(2000円相当)はサービスで無料でつけてくれました。全身裸でフリチン状態でのあかすりはとても恥ずかしいです。たくさん垢がでました。
カッピングとは昔から伝わる伝統両方で釣鐘型のガラスのカップを背中にあてて、その中の空気をぬいて真空状態にするものです。終了後、悪い部分が赤くアザになるようです。これにより新陳代謝がよくなり、肩こりや腰痛、便秘に良いそうな。アザは2〜3日で消えました。
4日目。
非武装地帯(DMZ)。
ここは北朝鮮と韓国がにらみ合っている軍事境界線にあたる38度線です。1950年に北朝鮮が韓国を侵攻して始まった朝鮮戦争は、現在休戦中であり、終戦ではありません。いつまた始まるかわからない非常に緊迫した状態にあるわけです。国連軍のスローガンは「In front of them all」です。
共同警備区域(JSA)。
写真の奥に見えているのが北朝鮮の建物です。北朝鮮の軍人もこちらと同じように監視をしていました。北朝鮮の観光客も、私たちと同じように、反対側を見るためにここにやってくるようで、時々、はちあわせになることもあるようです。中央に見えるのが軍事停戦委員会の会議場です。
会議場内部。
ここでは、境界線を越えて北朝鮮領内に入ることができました。窓の外には、しっかりと、軍事境界線が設置されておりました。ツアーには実弾で武装した国連兵士が同行し、万が一に備えていました。たいへん緊張した時間でした。このツアーで朝鮮戦争の実態について、いろいろ理解できました。
NANTAは韓国の今話題のミュージカルです。韓国伝統音楽のサムノリルを主体に、厨房内で4人のシェフが鍋、包丁、フライパンなどを叩きまくるという内容です。日本だと太鼓の現代風アレンジというところでしょうか?食べ物を粗末にする部分もありましたが、すごい迫力に圧倒されました。3000円。
5日目。
ソウル市内で射撃ができるとはびっくりでした。
1)38CALIBER
2)9mmBeretta92FS
3)45CALIBERCZ97B
発射時の反動がとても大きく手ごたえ十分です。
ゾンビを倒す練習ができました。8000円。
ソウルといえばおなじみロッテワールド。
世界最大の室内パークとしてギネスブックにのっているそうです。日本でいうと、浅草の花やしき、後楽園遊園地といった感じです。修学旅行中の小学生、中学生が大勢訪れていました。ここでは、民族博物館がお薦めです。韓国の歴史が全てつまっています。
戦争記念館。
ここには先史時代から現在に到るまでの韓国の戦争の歴史が全て展示されています。もちろん、文禄慶長の役から朝鮮戦争、そして、現在の韓国軍について詳細に説明されています。とても広いスペースに本当に多くの展示物がありました。足が棒になりました。
なかでも朝鮮戦争室には、戦争勃発時の時間別の戦況などが、詳しくビデオで上映されており、なまなましい映像を見ることができます。野外にも写真のように、展示物があります。上の写真は、最新式の韓国軍戦車K−1、下はB52爆撃機です。韓国の軍隊はPKFにも参加し、国際平和に貢献しています。日本も国際貢献、大切です。
ソウルにもありました!!電気街。
東京の秋葉原同様、小さなお店が軒をつらね、コンピュータの基板やモニタなどのパーツを販売しておりました。ほとんどハードのお店ばっかりで、ソフトは売られていないように見えました。
韓国といえば骨付きカルビということで、最終日の夜は豪華に地元人しか行かないような焼肉屋で腹一杯食べました。おいしい、おいしい。
今回の旅行では、韓国料理をほとんど網羅しました。カルビ、プルコギ、海鮮鍋、サムゲタン、キムチ、海苔、などなど。太らなければ良いのですが。

(Aoki’s Web Site TOPへ)
(海外旅行記 一覧へ)      

2003.06.15.更新
2003.05.04.更新